もしも小臼歯(前から4番目または5番目の歯)を抜かずに、小臼歯を抜いたのと同じくらいの空隙を得ることができれば、抜歯を行う必要はなくなります。これを可能としたのが母校の東北大学で菅原準二先生を中心に開発されたスケレタル・アンカレッジ・システム(SAS)です。
これはいわゆるインプラント矯正の一種で、最も歴史のあるものの一つです。歯を支える骨にチタン製のミニプレートを埋入し、歯を動かす際の絶対的な固定源とする方法です。これを支えにして奥歯を後方へ移動することにより、歯を抜かなくても大きなスペースを作ることが可能となります。
通常の矯正治療における歯の移動は、歯と歯の引っ張り合いや押し合いによって行うものが多く、例えば奥歯と前歯の間にバネを入れて押し合いをすれば、奥歯は後方に移動しますが、反作用として前歯も前方にあおり出されてしまうという不都合が生じてしまいます。
ところがSASは絶対的な固定源として働き、他の部位に影響を与えずに奥歯だけを動かしたい量だけ動かすことが可能です。
ヘッドギアという装置も長時間かつ長期間の使用によって上の奥歯を後方へ動かすことが可能ですが、患者さんの協力が非常に重要で、口の外に装着する装置ですから、一日中使用することはまず不可能だと思います。
一方SASは口腔内の装置で、着脱の必要が無いため、確実な歯の移動を行うことが可能です。
インプラント矯正治療ではプレート埋入と撤去の際に外科的な処置が必要となります。もちろんSASを用いた歯を抜かない治療を行うことが出来ない症例もございます。しかし、その点を充分に考慮した上でも、今までの矯正治療では得られない非常に大きな利点を持っており、高い治療満足度を提供できるものと確信しております。
このSASを用いたインプラント矯正治療に関しては、当時この分野の最先端の施設で、第一人者の先生方とともにエビデンスを構築しながら経験を積んでまいりました。従来の治療方法を踏まえた上で、インプラント矯正治療の長所・短所を十分に理解して適切な応用を行うことにより、非常に大きな利益を提供できると考えております。興味のある方は、是非一度ご相談下さい。
今日の担当は院長でした。
浦和矯正歯科クリニック
Webサイト:http://www.uoc.jp
2009年9月5日
健全な歯を抜かない矯正治療 ②
2009年9月4日
健全な歯を抜かない矯正治療 ①
大人(高校生以降)の矯正治療では治療上の必要性に応じて、小臼歯(前から4番目または5番目の歯)の抜歯を行うことがあります。
例えば、叢生(歯並びの凸凹や八重歯)を解消する際に、この小臼歯を抜く事によって作った空隙を利用して、歯の排列を行います。きわめて軽度な叢生の場合は別として、もしも抜歯を行わずに叢生を解消しようとすると、歯並びは、前方あるいは横方向に拡大されることとなり、歯はきれいに並んでいるけれども口元が前方に突出してしまったり、あるいは横方向に拡大されすぎることで不自然な口元となってしまったりということになってしまいます。
また、上顎前突(いわゆる出っ歯)や下顎前突(受け口)の治療においては、前突している側の小臼歯を抜歯することで作った空隙に前歯を移動してあげることによって、前突を解消します。不正咬合の患者さんでは、前突と叢生が組み合わさっていることも多く、その場合には上下合計で4本の小臼歯を抜歯して、奥歯の咬み合わせの位置を整えながら治療を行うことも少なくありません。これもまた、抜歯を行わない場合には、歯はきれいに並んでいるけれども出っ歯だったり、受け口だったりという状態が生じてしまいます。そのような状態では何のための治療だったのか分からなくなってしまいます。奥歯から前歯まできちんと咬み合って、機能的な咬合が得られなければ治療の意義が無くなってしまうためです。
健全な歯を抜きたいと考える人はいません。私たち矯正歯科医も極力、歯を抜きたくはありません。しかし上記の理由から抜歯を選択せざるを得ませんでした。
もしも小臼歯を抜かずに、小臼歯を抜いたのと同じくらいの空隙を得ることができれば、抜歯を行う必要はなくなります。これを可能としたのが母校の東北大学で開発されたスケレタル・アンカレッジ・システム(SAS)です。
続きはパート2をご覧下さい。
今日の担当は院長でした。
浦和矯正歯科クリニック
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2009年8月21日
焼き鳥
先日、父の誕生日のお祝いをしました♪
美味しいと評判のお店 「焼鳥処 田楽」 に行ってきました。
どのお料理もとても美味しかったのですが、中でも特に印象に残っていたのが
「シャモのお刺身」
「レバーのパテ」
「レバー(串焼き)」
「親子丼」
でした。
正直、レバーは大好物というわけではなかったのですが、
こちらのは臭みが全くなくコクがあり大好物になりそうです。
レバーのパテは本当に絶品です。
お食事だけでお腹がいっぱいでしたが、どうしても食べたかった
「シャモの卵から作ったプリン」
をいただきました。とても濃厚で、母も大満足でした。
家族水入らずの誕生会で楽しく、美味しいお料理とお酒に夢中になってしまい、
撮影したいと思っていたほとんどを撮り忘れてしまいました。
店主の方はとても気さくな方でした。
ワインが大好きだそうでとても美味しいワインを薦めてくださいました。
焼き鳥だけでなくワイン好きな方も楽しめそうです。
お店の場所は
さいたま市浦和区仲町2-2-6 ℡ 048-822-6671
です。
とても美味しく雰囲気も良いお店ですので、また是非伺いたいと思います♪
今日の担当は副院長でした。
浦和矯正歯科クリニック
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2009年8月11日
Q&A 矯正治療中はむし歯になりやすい?
矯正治療中は歯に複雑な装置がつくため、汚れがつきやすくなり、むし歯のリスクは高くなります。
せっかく歯並びをきれいにしたのに、矯正装置を外したらむし歯だらけだったら悲しいですよね。
むし歯になるのにはいくつかの理由があります。
逆にいえば、むし歯になる理由が分かっているので、ポイントさえ抑えておけば
むし歯を防ぐことができるのです(*^-^*)
まず、むし歯は感染症だということをご存知ですか?
口の中には数多くの細菌が棲んでいます。
歯の表面に付着した白い物、「歯垢」(専門用語ではプラーク)1mgの中に
なんと2億匹もの微生物が存在しているといわれています。
想像すると、気持ち悪いですよね・・・
この中に、むし歯の原因となる細菌が潜んでいるのです。
むし歯菌には代表的な物としてミュータンス菌やラクトバチラスなどがあります。
これらのむし歯菌が、食べ物の中の砂糖をエサにして、酸をつくり、この酸が歯を溶かしてしまいます。
歯が溶ける、これがむし歯です。
むし歯菌から歯を守るためには、プラーク(細菌の塊)を除去することが一番です。
極論を言えば、プラークさえなければ、口の中に食べ物が残っていようと
それはむし歯の原因にはならないのです。
ちなみにプラークは、うがい薬などでは除去することはできません。
毎日の歯磨きか歯科医院でのクリーニングによってのみ除去できます。
つまり毎日の歯磨きでプラークを完全に除去することがとても重要になるわけですが、
いくら一生懸命やっても実は全く除去できていないことが多々あります。
ですから、我流ではなく必ず歯科医院で歯磨きの指導を受けるようなさってください。
余談ですが、お口の中のむし歯菌の数は個人差があります。
むし歯菌の数や唾液の量、質などを調べることによって
自分はむし歯になり易いタイプなのか科学的に判断することができます。
これらの検査を一般的にはカリエスリスク検査といいます。
次に、その他のむし歯対策として、「強い歯を作る」ことも挙げられます。
つまりフッ化物の使用です。
具体的にはフッ素入り歯磨き粉を使用する、フッ素洗口をする、ホームジェルを使用する、
歯科医院で高濃度のフッ素塗布をするなど沢山の方法があります。
その中でも最も安く効果がある方法は、毎日ご自身でやっていただくフッ素洗口です。
低濃度のフッ素を頻繁に継続使用することがポイントです。
尚、当クリニックでは、矯正治療中の患者さんには随時歯磨きの練習を行い、
フッ化物の使用を勧めるなどホームケアがしやすくなるよう様々なアドバイスをしております。
必要に応じて成長期のお子様にはカリエスリスク検査も行っております。
また、矯正治療中のお口の中は複雑なため、歯磨きだけではプラークを除去できない場合もありますので
来院の度に歯のクリーニング(PMTC)を徹底して行ったり、必要あればフッ素塗布を行ったりしております。
それでも、矯正治療中にむし歯ができてしまった時には、一時的に一部の矯正装置を外し、
かかりつけの歯医者さんでむし歯の治療を受けて頂きますので、安心して矯正治療を受けてください。
矯正治療中のみなさん、むし歯ゼロのきれいな歯並びを目指してがんばりましょうo(^-'o)♪☆
今日の担当は副院長でした。
浦和矯正歯科クリニック
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2009年8月3日
Q&A 床矯正とは? ②
前回に引き続き、床矯正に関することを書いていきたいと思います。
床矯正装置は主にお子様に使用されることが多いようですが、その目的の多くは前歯に凸凹があるため、もしくは凸凹を避けるための歯並びの拡大だと思われます。
歯並びの拡大とはどのように行うのでしょうか?
歯並びの拡大には大きく分けて二通りがあり、その一つは顎(あご)の骨自体を拡大するもの、もう一つは歯並びのみを拡大するものです。
床矯正装置で生じる拡大の大部分は、歯並びのみの拡大であり、これは歯の傾斜移動によって引き起こされ、骨自体が拡大する訳ではないため、拡大すればするほど歯は外側に傾斜していくことになり、拡大量には限界があります。この傾斜移動は治療後の後戻りが大きい事が知られております。
一方で、顎の骨自体を拡大するには、自分では取り外しの出来ない固定式のがっちりとした『急速拡大装置』による強い整形力が必要となります。上顎には正中口蓋縫合という、上顎の骨を左右に分割する縫合があります。この縫合は高校生ぐらいまでは完全にはくっつきません。ですから成長期には、この縫合部に断続的な強い整形力を加えることにより、縫合部が開き、出来た隙間に新しい骨が形成されることによって上顎の骨が拡大されます。急速拡大装置では、歯の傾斜は少なく、床矯正装置に比べて予後は安定していますが、それでも拡大した量の数十%は後戻りしてしまいます。
ところが下顎の場合、真ん中の縫合は赤ちゃんの間に嵌合してしまい、このような方法が適用できません。すなわち下顎における拡大は、その大部分が歯並びのみの拡大(歯の外側への傾斜移動)となるため、拡大量には限界があります。どうしても下顎を広げる必要がある場合では、手術によって拡げる仮骨延長法という方法を選択します。
上顎だけが狭いという場合は別ですが、通常、凸凹がある(凸凹になることが予測される)場合は、上顎だけではなく下顎も拡大する必要があります。下顎の拡大量には限界があるため、上顎の横方向への拡大量が大きいと上の歯と下の歯がかみ合わなくなってしまいますから、あまり拡大装置は使用しません。
床矯正装置は歴史のある装置で、ブラケットが普及する前の時代には日本でも盛んに用いられていた装置ですが、現在、矯正専門医で床矯正装置を積極的に使用している先生は少ないと思います。ブラケットが広く普及したことにより、傾斜移動ではなく、歯体移動(歯が傾斜を起こさずにする移動)で、より精密な歯並びのコントロールが可能となったためです。
どのような装置にも適応症というものがあります。たしかに床矯正装置は、お子様自身で取り外しができ、負担の少ない装置かもしれません。しかし、重要なのは、大人になった時点で、良好なかみ合わせが得られていることなのです。本当の治療のゴールを予知せず、目先の凸凹を改善するために使用することによって、こどもの時期の治療自体が無駄になってしまうことがあるということを忘れてはいけません。
今日の担当は院長&副院長でした。
浦和矯正歯科クリニック
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2009年7月25日
Q&A 床矯正とは? ①
今日は、床矯正について書いていきたいと思います。
インターネットも普及し、矯正治療について検索すると様々な治療法を調べることができると思います。
床矯正・マウスピース矯正・インプラント矯正・歯を抜かない矯正・見えない矯正・スピード矯正・・・
それらの説明を読むと、どれもとても良さそうな治療法に感じますよね。
確かに、その多くは正しい判断のもと適切に使用すれば良い治療方法です。
上記の中でも患者さんから質問が多いのが、床矯正についてです。
歯医者さんで床矯正を勧められるお子様も多いのではないでしょうか?
ある研究会では、床矯正とは「あごを拡げて歯を並べる『保存』の立場に基づく非抜歯矯正 」としています。
では、これは全ての人に当てはまる治療法なのでしょうか?
当院でも、こどもは勿論、成人であっても、できるだけ健康な歯を抜かない方針をとっております。
また、患者さんにとってなるべく負担の少ない簡便な矯正装置を選択するようにしております。
ですから検査・診断の結果、床矯正装置やマウスピースを使用した矯正治療法を選択する場合もあります。
しかし、場合によっては歯を抜かないで全ての歯を使うことが逆に良くないこともあります。
特に、凸凹がひどい場合、あごの骨が小さい場合、かみ合わせのズレが大きい場合、口元に審美的・機能的な問題がある場合などでは、やむを得ず一部の歯を抜き、全体を助ける選択肢をとることもあります。
それは、歯を抜かずに闇雲に拡大をすると、安定性が悪く後戻りしやすかったり、口元が出たような仕上がりになってしまったり、歯茎が下がってしまったりなどと様々な問題が生じてくるからです。
あごを拡げる量にも限界があるのです。
( ※なお、拡大だけで歯を並べることが難しい場合、従来は一部の歯(小臼歯)を抜いて治療する場合がとても多かったのですが、現在ではインプラント矯正という特殊な装置を併用することで、親知らず以外の歯は抜かずに治療できる場合が多くなりました。)
床矯正装置は、特にヨーロッパでは、1980年頃まで好んで使用されていた歴史ある装置です。日本でも、40年位前までは多く使用されていましたが、現在では矯正専門医で床矯正装置を主として使用している先生は少ないのではないでしょうか?ではなぜ、積極的に使用されなくなってしまったのでしょうか?
次回以降、床矯正装置についてもう少し詳しく書いていきたいと思います。
今日の担当は院長&副院長でした。
浦和矯正歯科クリニック
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2009年7月18日
Q&A 矯正治療をしたいけど、どの病院が良いの?
こんにちは。
歯並びを治そう!と思った時にどのように病院を選ぶとよいか、
矯正医としての意見を書いていきたいと思います。
病院の選び方は人様々ですよね。
家や職場に近いところが良い、安いところが良い、夜遅くまで診療している・・・
矯正治療費用は決して安くありません。
また、むし歯の治療などとは異なり治療期間が長いため慎重に病院を選ぶ必要があります。
まず、歯科医院の標榜について説明いたします。
「矯正歯科って書いてあるから大丈夫」なんて思っていませんか?
歯科医院が標榜できる診療科目は一般歯科、小児歯科、口腔外科、矯正歯科です。
歯科医院の多くは、一般歯科だけではなく他の科目を併記しています。
歯科医師免許があれば、どの科目を表示しても、そして実際に手を出しても法律上問題はありません。
ですから、矯正歯科と掲げていても、実際には矯正専門の教育を受けていない先生が治療をされていたり、
大学病院で研修中の先生がアルバイトに来ていたりするだけのことが多々あります。
もちろん、しっかり技術のある先生が月1回程度診療に来ていたり、複数の先生が働いていてその中の一人が矯正専門医であることもあります。
しかし、患者さんにはこれらの内情は分かりませんよね。
その際に一つの指標となるのが、矯正歯科学会の認定医を取得しているか確認することです。
これは、学会のホームページで検索をすると簡単に調べることができます。
矯正歯科の認定医とは、大学の歯学部(6年間)で歯学教育を受けた後、歯科医師国家試験に合格し、学会が認めた大学病院などの矯正歯科専門医療機関において5年以上にわたり相当の臨床経験を有し、学術誌に矯正歯科臨床に関する報告を発表し、審査に合格した者に与えられることになっています。
矯正治療は非常に専門性の高い分野で、けっして短期間で簡単にまして独学で取得できるものではありません。
みなさんも病院を決める際には、慎重に良い先生を選ぶようになさってください。
浦和矯正歯科クリニック
Webサイト:http://www.uoc.jp
2009年7月13日
クリニックの前には
浦和矯正歯科クリニックは2009年6月29日に開院したばかりの新しい矯正歯科医院です。
今日は、クリニックの紹介をしたいと思います。
当院の玄関先に、季節のお花を飾っています。
その中でも、私のお気に入りは、ハイビスカス♪
毎日綺麗に咲いています。
こちらは、浦和駅西口コルソ1FにあるWATANUKIというお花屋さんにアレンジしていただきました。
私が小さい頃から両親と行っていたお気に入りのお花屋さんです。
いつもセンスの良いお花をアレンジしてくださいます。
お花が身近に沢山あることは良いことですね♪
今日の担当は副院長でした。
浦和矯正歯科クリニックWebサイト:http://www.uoc.jp
2009年7月7日
はじめまして
ブログをはじめました!
こらから矯正をしようと考えている人や矯正治療中のみなさまに情報を発信していきます。
矯正治療がみなさまにとって少しでも身近なものに感じていただけたら嬉しいです。
これからどうぞよろしくお願いします!
Presented by http://www.uoc.jp/
さいたま市浦和区の矯正歯科専門医院~ 浦和矯正歯科クリニック