歯がキレイな一列の湾曲を描いて並んでいない状態を叢生(そうせい)と言います。いわゆるガタガタ・デコボコの歯並びです。原因としてはあごの大きさと歯の大きさの不調和によって歯が並んで収まるスペースが不足することが挙げられます。そもそも日本人のあごは奥行がなく、欧米人に比べて歯が並ぶスペースが不足しがちです。日本人の4割に叢生があると言われています。
ここでは、大人のデコボコ、子どものデコボコについて説明していきます。
大人のデコボコの歯並び
歯がでこぼこのまま放っておくと、歯磨きなどのセルフケアがしにくく、虫歯や歯周病になる確率が高くなり、入れ歯を入れにくいなどの問題も出てきます。大人はあごの大きさ自体を歯科矯正だけで変えることは難しいので、通常は歯の数を抜歯によって減らし、あごに収まる本数にします。
上あご、あるいは下あごのどちらか一方が叢生の場合、あごの大きさのアンバランスや咬み合わせのズレも考えられます。一般的に、上下のあごにズレのあるような症例では、叢生だけを治せばいい場合とは異なり、より治療時間がかかります。
子どものデコボコの歯並び
子どものデコボコの歯並びは、矯正装置で歯が並ぶスペースを作ります。これにより、永久歯になって歯を抜かずに済む可能性が高くなります。
上あごは多少の拡大ができるものの、下あごは一時的には広がっても、装置を外せばもとに戻りやすく、限界もあります。たとえ拡大して歯が並んだとしても、口元が前に出っ張ってしまったり、歯ぐきが下がってきてしまったりすることもあります。
そのため、子どもの叢生の場合、永久歯になるのを待ってから矯正治療をしたほうが効率的なケースもあります。